前田建築塾は「本物の建築」を学びたい・学び直したい全ての人に開かれた、「建築家による少人数・直接指導」を旨とする建築の私塾です。ここでは、大学や専門学校で学ぶような図面やCGのテクニック、意匠や設備、法律といった様々な個別知識の習得以前に必要な、建築家の「根」となる知や姿勢を、想いを同じくする仲間とともに学びます。
塾生のニーズに合わせて用意された5つのコースの詳細はそれぞれ異なりますが、いずれのコースも、建築作品を計画し人に伝えるための最低限の技術や手法はもちろん、一人の創造者として最低限身につけておくべき哲学・芸術・科学・宗教等の「知」を分かりやすく学べるように構成されています。また、「建築家のアトリエ」という“現場”のど真ん中に開かれた学びの場として、長きにわたって先鋭的な作品を発表し続ける建築家やアトリエスタッフの仕事ぶりや生き様に間近で触れ、教科書では決して学べない現場の知に触れることができるのも、この塾だけの特徴です。
最もベーシックなコースである「設計演習コース」では、入塾するのに、年齢はもちろん、今の時点での知識・経験は一切問いません。その他のコースでも、コースの内容が自分に合っていると思えば、現時点での知識や技術は不問です。
ただ「建築の道を生きたい」という切実な志、それだけが“建築道”の道場たる前田建築塾の入塾条件です。
「現役建築家による少数精鋭・密着指導」「目的に合せて選べる5つのコース+1」が前田建築塾の授業の大きな特徴です。ただし、そこでは必ずしも“上手にやる”“いい作品をつくる”ことだけが目標ではありません。むしろ、6ヶ月という短い期間で一人一人がどれだけの失敗をし、それを乗り越えながら建築家としての己を見出していくことが最も重要です。すなわち「創造への飛躍のための“失敗する場”」であるというのが前田建築塾のもう一つの特徴です。
また、建築家のアトリエで行われるこの塾では、授業以外にも、前田アトリエが関わるプロジェクトの実務への参加や、講師やプロジェクト担当者直々の説明を聞きながらの現場・作品見学、そして卒塾生をはじめここに集まってくる多くの人々との出会いなど、授業以外にもさまざまなチャンスがあります。そのような「授業だけではないさまざまな学びと出会いのチャンス」があることも、この塾の大きな特徴の一つです。
前田建築塾では、20年以上にわたり数多くの先鋭的な作品を発表し続けてきた建築家・前田自らが、全てのコースの講座・演習を密着指導(※)。建築家として、またアトリエ系設計事務所の長として蓄積してきた経験を惜しげなく注ぎ込み、他では受けられない密度の濃い内容の授業を行います。また、塾生一人一人の個性やレベル、ニーズに丁寧に対応するため、各コースとも最大10名の少人数制で運営。さらに、講義日以外もアトリエでの臨時個別指導(要相談)やm ixi等を利用したウェブ上でのエスキスチェック・質疑など、入塾中の塾生の課題製作・学習を24時間フルサポートします。 ※ソフトウェア講習やプログラミング講習等の実技指導を含む一部の講義はT Aまたはアトリエスタッフが担当します。
基本コースである<設計演習コース>に加えて、<卒業設計・修士設計コース><アルゴリズム建築コース>の計5つのコースをご用意。現役の建築学生のみならず、初心者から実務者まで、真の建築家を目指す多くの方の興味やニーズに応えます。また、創作者として最低限心得ておかなければならない思想を講師が分かりやすく講義する「建築論講義」は、いずれのコースの学生も無料で受講可能。各コースでの「手」(技)の訓練だけではなく、世界を舞台に戦える建築家としての「頭と腹」(知)を同時に鍛えられるのも前田建築塾の大きな特徴です。
塾生が入塾してから最初に言われ、その後も繰り返し言われ続けるのは、この塾は「失敗する場」だということ。見た目が新奇なだけの贋物ではなく、真に新たな建築を創造するには、既製の計画・設計理論や過去の「建築」のイメージから自分を解放し、挑戦と失敗を重ねていくしかありません。前田 建築塾では、塾生が手際よく無難に「上手」な建築をつくるより在塾中に一つでも多くの失敗と再挑戦を重ねることを奨励しています。時に厳しい言葉を投げられることはあるかもしれませんが、失敗したからといってこちらから見棄てるようなことは決してありません。小さな失敗の苦い味の一つ一つが、やがて塾生がその身一つで世界と対峙するための糧となることを信じているからです。
設計事務所が主催する塾の大きなメリットの一つとして、建築塾の塾生には通常の授業の他にも様々な角度から「建築」に触れる機会が与えられます。例えば前田アトリエの竣工物件や工事現場の見学会や実際のプロジェクトのお手伝い、その他展示会などのイベントへの参加などがその一例です。また、何より大きいのは、この塾が老若男女を問わず志を共にする多くの仲間と出会える場であること。年齢や職業、大学の垣根を越えて皆が食事と酒を共にしながら、建築、音楽、映画、アニメ、恋愛、食、スポーツ、サブカルチャー、文芸、仕事、エログロ等々あらゆることを語り合う「宴(うたげ)」(毎週授業日の後に催される宴会(※))はその象徴ともいえる場です。 ※ 「宴」は自主参加制で、強制ではありません。また、原則として参加費用は無料です(忘年会等の大きな会の場合を除く)。