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卒塾生インタビュー


吉江 優

設計演習コース 第5期 卒塾

吉江 優

  • 在塾期間:2009.11 - 2010.2
  • 入塾時:早稲田大学 創造理工学部建築学科1年
  • 現 在:同 4年(2013年末時点)

『設計に関わる“根底的な哲学”を学べたことが貴重な経験です』


 --- 建築塾に入ったきっかけは何でしたか?
 吉江 当時は大学1年でしたが、設計等もまだしたことすらなく、図面も描いたことがありませんでした。しかし、大学の時期というのは時間の流れがものすごく早いので、常に焦燥の感を抱いていたんです。また、早稲田には早稲田の建築のカラーが根強くあるのですが、だからこそ逆にそれに染まり切らず、最初のうちに広い視野で物事を見られるよう、何か別の場所で建築を学びたいとも考えていました。そんな時分に、建築塾の存在を偶然知り、入塾を決意したんです。
 --- 入塾してみて感じた、建築塾と大学との違いはどんなところでしょうか?
 吉江 設計や計画に必要な思想と、設計の両方を、少人数で学べる点ですね。ここでいう「思想」というのは、大学で教えられるような建築の世界に限った知識のことではなくて、存在論から西洋的・東洋的思想の構造、芸術論など様々な観点から統合的に完成されたもののことです。そういうことを大学1年の時期に学べたことが、振り返ってみると自分にとって大きなプラスになりました。
他には、授業や塾後の宴などを通じ、塾生同士、また塾生とスタッフさんとの関係をとても大事にしている場であるというのも大きな違いではないでしょうか。
 --- 塾長やスタッフが“授業の場限り”ではなく、“いったん関わったからにはとことん付き合う”ことができるのも、各コースが10人前後の少人数制だからですよね。
 吉江 そうですね。設計課題のエスキスや、中間のウェブ上でのエスキスなどでは、先生直々に親身なアドバイスをしていただけました。
 --- 吉江さんから見て、前田先生はどんな方ですか?また、アトリエのスタッフは?
 吉江 先生はエスキースや講義で非常に熱意を持って塾生と接してくれました。この距離感の近さと熱さは建築塾ならではだと思いますし、おかしな言い方かもしれませんが「建築塾」自体が、前田先生の建築観、教育観を体現した「先生そのもの」だと感じています。スタッフの方々も、前田先生と同じ空気をまとって、同じ姿勢で臨まれていると思います。
 --- では、吉江さんが建築塾で一番苦労したことは何でしょうか?また、それをどうやって乗り越えましたか?
 吉江 僕は自分で抱え込んでしまうタイプなので、大学の課題との両立や、設計課題で行き詰ったときにはけっこう精神的に追い詰められていましたね。そういうときには、同期の仲間と相談し合うなどして乗り越えました。
 --- 同じ課題に取り組んでいる仲間や、同じ課題をやったことのある先輩達が誰かしらいつも近くにいるというのも大きいですよね。では、建築塾で一番印象に残っていることは何でしょう?
 吉江 印象に残っていることというのとは少し違うかもしれませんが、僕が在塾しているときにちょうど東北大震災があって、それに伴って社会環境的も、塾も、また個人的にも色んなことが複雑に展開していた時期でした。そんな中(しばらくの間休講にはなりましたが)、いつもと同じように塾に行けることが精神的にも落ち着ける時間だったことを覚えています。
 --- 大変な時期だったからこそ、ですね。では、建築塾で得た一番大きなものは何ですか?それは今の仕事や生活にどう活きていると思いますか?建築塾に入らなかったら今はどう違っていたでしょうか?
 吉江 僕の場合は、先ほども書いた通り“建築設計や計画の底にあるべき思想”を教えていただいたことですね。建築塾で学んでから、大学2年の設計演習の課題ではその思想からドライブした作品をつくってきました。卒塾以来多くの本を読んだ今でも、その考え方というのは心に非常に強く深く残っていて、別の考え方を学ぶときにもすぐに多くの他のものとリンクして考えられるようになりました。 ちまたに溢れる建築や芸術、デザイン関係の本や雑誌にあるような、表面だけをなでるような思想“のようなもの”をいくら読んでも分からなかったであろう「根底的な哲学」のひとつを学べたということがとても貴重な経験です。
 --- 最後に、過去の自分と同じような立場や思いをもつ後輩や、入塾を検討している方に一言お願いします。
 吉江 「きっかけを自分でつくる」ということが、自分を高める前に非常に重要なことだと思います。入塾や他のチャレンジというのは勇気のいることですが、もし前田紀貞建築塾に興味があり、自分を高めたいと考えているなら、入塾を強くお薦めします。
 --- ありがとうございました。
 吉江 ありがとうございました。

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