建築物は二度、誕生します。
一度目は、建物(モノ)として竣工するときであり、二度目は、写真として記録されるとき、つまり「映像」として建築が誕
生する時です。
映像としての建築は、ただ単に写真フレームの中に美しく正
確に記録されるべきものではありません。
その空間が独自にもつ、充満した「空気の質」、時間変異に
よる「様相の変化」光と陰の「気配」などが捉えられて初めて、そこに新しい生命が宿ります。
それは、往々にして、設計者・施工者・施主には気付きにく
いものです。
建物への強い想いは、時として「新しい視点の発見」を阻害
することがあります。
我々は、それぞれの建物に対する想いを、長年建築設計業務
を生業としている
「独自の視点」によって映像として記録することで、建物の
「二度目の誕生」を祝福することを、活動の目的としています。