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卒塾生インタビュー


黒瀬 直也

設計演習コース 第1期 卒塾

黒瀬 直也

  • 在塾期間:2007.9 - 2008.3
  • 入塾時:サービス業勤務
  • 現 在:前田紀貞アトリエ一級建築士事務所勤務(2014年2月時点)

『"職業"の枠を越えて人生まるごと“建築家”として生きるために』


 --- 黒瀬さんが建築塾に入ったきっかけは何でしたか?
 黒瀬 先生が『新建築』に寄稿された小論文「ラストサムライ」(『新建築』2006年1月号掲載)を読んだのがきっかけです。「20の建築・20の意見」という特集のなかで、他の建築家たちがプロジェクトに関すること−−すなわち空間うんぬん、素材うんぬんを語っている中、前田先生一人だけが人間として、建築家としての生きざまについて触れていて異彩を放っていたのですが、そこに何か強く惹かれるものを感じたんです。

実は建築とは「職業」より大きい「生き様」なのだ、と思った瞬間です。「建築する」という行為、建築家として生きるということが、単に物質的ではなく精神的に充実した人生を全うすることにつながる、そのことをより具体的な学びを通して実感し、成長したいと思って、建築塾の門をたたきました。
 --- 建築塾と大学や他の専門学校などとの違いはどんなところだと思いますか?
 黒瀬 繰り返しになりますが、建築というのは「職業」ではなく「生き様」である――逆に言えば、そこまで振り切らなくてはホンモノの建築なんてできはしないんだということを、徹底的にたたき込まれることです。と言っても、ただお題目のようにそれを言葉で言われるのではなく、塾で体験すること・前田アトリエで目にし、耳にするものの全てを通して、そのことが身に染みてくる、ということですが。

建築のテクニックは、ある程度の経験を積めば誰でも教えることが出来るかも知れません。しかし「生き様」であることを説得力をもって教えてくれるところは、いまの日本では前田紀貞建築塾だけだと思います。現実における「建築」が建築家、施主、工務店をはじめ多くの人と人との関わり合いのなかでしか成立しないとすれば、小手先のテクニックではなく「生き様」、即ち人としてどう生きていくか、どうあるべきかのほうがずっと大切だと日々の仕事の中で実感していますが、そういうことを最初に気付かせてくれたのが建築塾ですね。
 --- 黒瀬さんが塾にいたときに一番印象に残っていることはなんですか?
 黒瀬 建築塾で過ごした日々全てが印象に残っています。もっとも、僕は一期生を卒塾してすぐ前田アトリエのスタッフとして今まで6年以上過ごしてきたので、今では塾で過ごした日々とアトリエに入所してからの日々とがごちゃ混ぜになっているんですが(笑)。
 --- 前田先生はどんな人ですか?また、アトリエスタッフは?
 黒瀬 現役スタッフとしてはなかなか難しい質問ですね(笑)・・・ただ、初めから一貫して感じるのは、とにかくとても真っ直ぐな人であるということです。別の言い方をすると、何はさておき「目の前のこと」に真剣に取り組もうとする人です。人に対しても、まず今目の前に立っている人をとにかく人を好きになろうとする人です。
 --- 最後に、過去の自分と同じような立場や思いをもつ後輩や、入塾を検討している方に一言お願いします。
 黒瀬 「百聞一見は一“験”にしかず」です。
建築塾に期待するものも実際に得られるものも人それぞれで千差万別だと思いますが、「唯一つの正解」のない前田紀貞建築塾なら、それぞれが自分だけの答えやそこに繋がるきっかけを手にできるはずなので、まずは実際に飛び込んできてみてほしいですね。
それからどうするかは、そうやって自分の目で見、肌で感じてから決めればいいことですから、まずは来てみてほしいです。また、先輩塾生として役に立てることがあれば、遠慮せずどんどん相談して欲しいと思います。
 --- ありがとうございました。
 黒瀬 ありがとうございました。

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