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卒塾生インタビュー


朝井 逹也

設計演習コース 第6期

松下 健太

  • 在塾期間:2011.6 - 2011.12
  • 入塾時:福井大学大学院2年
  • 現 在:前田紀貞アトリエ一級建築士事務所 オープンデスク勤務

『同期全員で最後までやり抜いたことは今でも大きな財産です』


 --- 建築塾に入ったきっかけは何でしたか?
 松下 うちの大学には建築家の先生が1人もおらず、実際に設計活動をしている先生に指導を受けたのも、県内の建築家が非常勤で来られた時の課題の期間だけでした。そんな狭い世界で建築に触れていたので、ずっと刺激を求めていたんです。そして、その思いから、先輩や友人、後輩達と県外(主に東京)から建築家を呼んで、講演会を開くという活動していくことになったんです。ところが、講演会を数回重ねていくうちに、来て頂いた建築家の方々には失礼ですが「なんかピンと来ない」という思いを漠然と感じる様になってしまったのです。 そのモヤモヤを抱いたまま、学校の設計課題やコンペに取り組んでいくなかで「やっぱり講演会で話を聴くだけじゃなくて、設計の過程を批評してくれる人が必要だ!」ということに気が付きました。「なんかピンと来ない」という思いの正体はこれだったんじゃないかと気がついたんです。 それからあれこれネット検索をして、建築塾のブログに辿り着きました。確か大学4年生になる直前だったと思います。でも、その時は踏ん切りがつかず、入塾には至らなかったんです。
 --- 当時は東京から遠く(※福井)に住んでいたんですよね。
 松下 はい。地方から、通う決断をするには様々な障害がありました。所属している研究室のこと、交通費若しくは宿泊費などなど・・・中でも一番入塾を鈍らせたのは地方の学生特有の都会の学生に対するコンプレックスです。 情報が少なく指導者も少ない地方で建築を学んでいると、雑誌でチラホラ名前を見る建築家から指導を受けている都会の建築学生が輝いて見えていたのです。「田舎者のオレなんかが行ってもなぁ・・・」というような思いをずっと持ったまま、気がつけば修士課程2年生になってしまいました。
 --- 最初に建築塾のことを知ってからけっこう時間が経ってますね。
 松下 そうですね。そんな感じで「学生の間に何か残せたかなぁ・・・」という言葉が頭の中でぐるぐる回っていた時、ふと以前気になっていた建築塾の事が頭をよぎったんです。もうその時にはコンプレックスよりも学びたい欲の方が上回っていました。「何も残せなかった学生生活になるくらいなら、とにかく動いてみよう!都会の学生がナンボのもんじゃい!!」くらいの気持ちに変わっていたんです。そんな風にしてくだらないコンプレックスは学生時代の終了間際になくなり、建築塾に入塾しました。
 --- 実際に入ってみて、建築塾と大学や他の専門学校などとの違いはどんなところだと感じましたか?
 松下 「建築」という学問の幅の広さを思い知らされました。建築塾では設計演習と併せて「建築論講義」という、哲学や芸術、映画、科学等の異分野を横断的に扱う講義があります。一見、建築とは直接深い関係のない雑学的な話だと思われるかも知れませんが、決してそのようなことはなく、自分自身の知見を広げ、建築や自分自身を見つめる上で必要な話ばかりです。 僕がいろいろな分野、ジャンルにたくさん触れたいと感じるようになったのは、この建築論講義の影響がとても大きいです。大学の先生のほとんどは職業として先生をしている感じで、「学問を教えて終わり」だと思います。それに対して、前田建築塾は根っこからひとりひとりを立て直そうと指導してくれる場所だと思います。
 --- 建築塾で一番苦労したことは何ですか?また、それをどうやって乗り越えましたか?
 松下 一緒に学ぶ同期生がいる以上、自分一人で頑張ってもダメで、みんなで頑張って最後まで走り切る雰囲気をつくらなくてはいけないと思っていました。でも、同期の塾生でリーダーシップを取れる人間がいないようだったので「自分が何とかしないと」と思って奔走しました。同期の半数が自分より年上だったので多少やりづらさはありましたが、講義日と講義日の間に連絡を取り合いながらやっていくうちに、自然と連帯感ができてきました。
 --- 建築塾で一番印象に残っていることはなんですか?
 松下 あるとき同期の塾生が一人、突然塾に来なくなってしまったことがあったので、同期の皆で彼の家に行き、皆で親身に話して復帰させたことがありました。そのお陰で、僕がいた6期はなんとか誰も欠けることなく、走り切る事が出来ました。皆で最後まで頑張り抜いたことは、今でも大きな財産となっています。
 --- 建築塾で得た一番大きなものは何ですか? また、もし建築塾に入っていなかったら今の自分とどう違っていたと思いますか?
 松下 とにかく、「人生無駄なことなんて何もないんだなぁ」と言うことに改めて気付きました。建築塾に入っていなかったら、自分には本当に何もなかったのでホームレスにでもなっていたと思います(笑)
 --- 前田塾長はどんな人ですか?また、アトリエスタッフは?
 松下 先生も、アトリエのスタッフも「建築とは生き様である」ということをただ真っ直ぐに体現しようとしている人たちですね。今は、自分も少しでも追いつけるように前田アトリエのオープンデスクとして修行させてもらっています。
 --- 最後に、過去の自分と同じような立場や思いをもつ後輩や、入塾を検討している方に一言お願いします。
 松下 動けば、何とかなります。動かずに後悔するなら、動いて後悔しましょう−−建築塾に入塾したら後悔することはないですけどね(笑)。必ず人生の糧となるはずです。でも、それも自分次第です。入塾してもただ通っているだけじゃ何も生まれません。設計課題の自分の案をアツく語るも良し、宴で笑いを取るも良し。とにかく自分を出して行けば必ず道は開けます。前田紀貞建築塾はそういう場です!
 --- ありがとうございました。
 松下 ありがとうございました。

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