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前田アトリエ 都市|建築
〒157-0066
東京都世田谷区成城7-7-20
TEL : 03-6339-5435
E-mail : norisada@sepia.ocn.ne.jp
社名 | 前田アトリエ 都市|建築 |
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代表 | 前田千紗(代表取締役) 前田紀貞(顧問) |
設立 | 1990年7月 |
資本金 | 10,000,000円 |
事業内容 | 建築物の新築、改修工事の設計・監理、 インテリアデザイン、 家具、什器などのインダストリアルデザイン、 建築教育 |
こんにちは、前田紀貞アトリエ一級建築士事務所の前田紀貞です。
当設計事務所Webサイトへ訪問いただき心からの挨拶を贈ります。
僕は最初に籍を置いた設計事務所(大成建設設計本部)では、超高層ビルや大規模都市開発などに携わっていましたが、建築家として設計事務所を主宰してから25年の間、仕事の殆どは住宅設計で通してきました。
それは設計する士として、家を建てることこそ最も純粋な太古の時代からの事業であり、それに真面目に辛抱強く当たることにこそ、住まい手の人生を豊かにできる何かがあると信じてきたからです。
生まれたての赤ちゃんは紙袋をクシャクシャにしながら何時間でも遊ぶことができます。
或いはどこの国籍に生まれようと、R/L(英語)、母音/二重母音/三重母音(中国語)の違いを聞き分けられる耳を持っています。
これは、赤ちゃんの目の前にある世界すべてがオモチャみたいにワクワクする無垢だからであり、そしてその耳はどんな状況をも素直に受け入れられるキラキラの白紙だからです。
僕は家づくりで建築家・設計事務所ができることとは、大人も子供もいずれもがこのワクワクとキラキラといつまでも仲良しでいられる、そんな特別な場所を用意することなのだと考えています。
そこで僕が、建築家として家を建てるにあたって大切だと思う4つのことをお話します。
一見誰もが承知していそうですが、実はこれほど難しいことはありません。
特に昨今の情報の海の中にいると、実はさほど好きでもないものを好きだと思わされてしまっているケースが往々にしてあるものです。
確かに、三択問題試験で隣の人が「A」に丸を付けているのを横目にすれば、「Aが正しいんだ」と思えてしまうのが人情です。
でも、人生の時間を熟成させるための家を建てる時、この判断が正しいものとは思えません。
洋服に例えれば、体格も好みも違う人に無理矢理隣の人と同じ既製品を着せてしまうことをせず、正確に “採寸” された、あなただけの生活や歴史、人柄に最も合ったものとして布を裁断してゆく行為こそ、僕たち建築家・設計事務所が家づくりをお手伝いできることの真の意味なのでしょう。
家とは、あなたとあなたのご家族のためだけに建てられるものだと考えます。
こうしたとき、「住む」は「棲む」になってゆきます。
更に、「本当に好きなもの」とは実はあなたの中に既にあるものだ、ということです。
建築家との協同作業とは、一緒になってそれを土の中から発掘する作業とでも思っていただければよいと思います。
家を建てることが、知らぬうちに好きだと思わされてしまっていたハイソなデザインに憧れることだったり、どこか他で目にしたカッコイイ住宅を再現する作業であったとしたら、それは最後まで、家と住まい手との息が合うことは難しいのではないかと思います。
可笑しいときに笑い、悲しいときに泣く、そんな正直であることが掛け替えない筈なのに、僕達は往々にして、日々それに素直に従えない状況に囲まれています。
でも、自分の家だけはそうであって欲しくないものですね。
家というものがいつも住まい手に愛犬のように寄り添ってくれ、家主のシンプルな喜怒哀楽を一緒に感じてくれるような、そんなワクワク・キラキラで無垢な場であってくれたなら……。
だからこそ、住まい手と僕達が一緒に設計作業を進めてゆくなかで、互いが赤ちゃんのように愛犬のように無垢のままであることが大事だと思います。
どうやっても、子供は親の鏡映しとして育ってしまうように、住宅というものも住まい手そのままが映し出された像なのです。
だからこそ、住まい手と建築家 互いが飾らず裸のままであることがとても大切なことだと思っています。
住まい手自身が今迄の人生で知ることがなかっただけで、実はもっと自分に適した家(世界)・生活のビジョンがあるかもしれない、という意味です。
ずっとフランス料理が一番好きだと思っていたのが、イタリア料理を紹介されてみたらこれぞ一番の好みだったという気付きです。
その「紹介」のお手伝いすることも僕達建築家・建築設計事務所が家づくりに関わる大切な理由のひとつです。
僕達は家を建てることを生業にしてきましたから大抵の料理は知っていると思っていただいて間違いないでしょう。
ですから、ひとまずそれを食べてみて それでも口に合わなければ返品すれば良いだけです。
家というものは、これから毎日何十年と食べ続けなければならない食事なのですから、すべての可能性は知ってみたうえで最終的に住むことになる住まいの質を判断されることは決して損なことではない筈です。
でもきっと思われる筈です、「この手があったのか……」と!
家を設計するにあたっての一番の要とは、「形をデザインすること」ではなくて「空気を計画すること」です。
それは、「形」(床・壁・天井)で囲われた空っぽの部分にある「空気」の感触・手触りが、どう住まい手と共振するかということの検証です。
住宅の中で繰り広げられる「場面」とか「風景」「状況」といったものこそ、実は人の最奥の心の襞を生々しく触ってくるなにかです。
建築家にとって「形をつくること」は比較的容易ですが、この「(目に見えない・手に取れない)空気を計画すること」は少しだけ難しいものです。
魚が濁った水では生きられないように、人も濁った空気ではうまく生きられないのと同じことだと思います。
豊かな住宅というものは、そこに住んだとき、「形」そのものより「空気」に存在感が出てくるような、そんな「状態」を感じさせる家のことではないでしょうか。
これでおしまいです。
さて、前田紀貞アトリエのホームページは、このたび新しく生まれ変わりました。
この新サイトでは、建築家と家を建てることを計画されている多くの皆々様方にお役に立てていただける情報を満載しました。
それでも、まだまだ充分ではないかもしれません。
あなたが知りたいと思われていることにお応えしきれていないかもしれません。
ですので、もっと知りたい、もっと確かめたいことがありましたらぜひご連絡ください。
あなたとあなたのご家族のためだけの家づくりのお手伝いができれば幸いです。
ここまでお読みいただいたあなたに心からの挨拶を贈ります。
1960年 | 東京都生まれ |
1985年 | 京都大学工学部建築学科卒 |
1985-1990年 | 大成建設設計本部 |
1990年- | 前田紀貞アトリエ一級建築士事務所 主宰 |
2008年- | 前田紀貞建築塾 主宰 |
2015年- | 石川県人会理事 |
2018年- | 安田女子大学家政学部生活デザイン学科教授 |
2018 ADA Award 最優秀賞 | 「ENISHI RESORT VILLA」 | 2018.11 | |
ALGODeQ 国際コンペティション Short Listed | 「EAST & WEST」 | 2014.11 | |
ディスプレイ産業大賞経済産業大臣賞 | 「INAX GINZA」 | 経済産業大臣 | 2007.11 |
デダロミノッセ国際賞特別賞 | 「Device#9」 | デダロミノッセ(ITALY) | 2004.11 |
インテリアプランニング賞最優秀賞 | 「ALICE」 | 財団法人建築技術教育普及センター | 2003.11 |
イナックスデザインコンテスト最優秀賞 | 「Device#9」 | (株)イナックス | 2003.11 |
日本建築学会作品選集 | 「Device#9」 | 日本建築学会 | 2003.11 |
日本建築学会作品選集 | 「ALICE」 | 日本建築学会 | 2000.11 |
東京都建築士事務所協会住宅賞 | 「成城の家」 | 東京都建築士事務所協会 | 1995.03 |
第13回 SD REVIEW 入選 | 「FUNES」 | 鹿島出版会 | 1994.12 |
第10回 SD REVIEW 入選 | 「横浜K幼稚園」 | 鹿島出版会 | 1991.12 |
新建築国際設計競技佳作 | 「Disprogramming」 | 新建築社 | 1990.01 |
第06回 SD REVIEW 入選 | 「関屋ホテル」 | 鹿島出版会 | 1987.12 |
2011.11.04 −2018.03 | 非常勤講師 国士舘大学 理工学部建築学系 |
2010.04 −2011.03 | 客員教授 京都精華大学 デザイン学部建築学科 |
2008.04 −2011.03 | 非常勤講師 日本大学 理工学部建築学科 |
2005.04 −2007.07 | 非常勤講師 東京理科大学 工学部第一部建築学科 |
2000.04 −2012.03 | 非常勤講師 法政大学 工学部建築学科 |
1999.04 −2008.03 | 非常勤講師 日本大学 理工学部海洋建築学科 |
SD(1997.04)/海外建築情報 | - 「ねじれた幾何学」 |
SD(1996.09)/海外建築情報 | - 「余白のマシン」 |
SD(1996.06)/海外建築情報 | - 「カーデザインとその痕跡」 |
SD(1995.03)/海外建築情報 | - 「批評行為について」 |
SD(1994.04)/海外建築情報 | - 「It’s only Architecture .But I like it. 」 |
SD(1993.12)/海外建築情報 | - 「コミュニケーションにおける遅延」 |
SD(1993.10)/海外建築情報 | - 「ダイナミックの透明性の中で」 |
SD(1993.01)/海外建築情報 | - 「エレクトロニクスのエロチシズム」 |
新建築住宅特集(2006.01) | - 「ラストサムライ」 |
新建築住宅特集(2004.03) | - 「建築の表と裏」(外部と内部に代わるもの) |
新建築住宅特集(2003.08) | - 「謙虚でフレキシブルな空間をつくるために」 |
新建築住宅特集(2001.06) | - 「キューブを突き刺せ」 |
新建築住宅特集(2001.03) | - 「凶暴な建築」 |
新建築住宅特集(1999.12) | - 「折り曲げる作用」 |
新建築住宅特集(1998.01) | - 「水—建築と都市のあいだのシステム」 |
新建築住宅特集(1996.09) | - 「建築化されたGARDEN」 |
新建築住宅特集(1995.03) | - 「FUNESへの問いかけ」 |
GA HOUSES ♯70(2004.01) | - 「プリンと位相幾何学」 |
GA JAPAN ♯58(2002.09) | - 「不整型な敷地を一筆書きでくくる」 |
GA JAPAN ♯56(2002.05) | - 「生活の余事象として接客空間を確保する」 |
GA JAPAN ♯55(2002.03) | - 「一と多が共存する生活空間」 |
建築文化(2004.04) | - 「建築空間について」 |
2015.07 | ミラノトリエンナーレ 建築模型展 |
2012.10 | 日本の建築家50人模型展(東京デザイナーズウイーク) |
2011.10 | 前田紀貞アトリエ展(横浜トリエンナーレ) |
2011.01 | 前田紀貞アトリエ展(建築家フォーラム委員会) |
2005.12 | 日本の現代住宅1985-2005 展(ギャラリー間) |
2000 | オランダ建築展(アムステルダム/NETHERLAND ARCHITECTURAL INSTITUTION) |
1997 | 30代建築家100人会議(日本建築家協会) |
1993 | 建築空間と電子メディア:「Delay on Glass」展(Velox Gallery) |
あなたとあなたのご家族を守り、無垢でキラキラした日常をあなたとともに創りだす「家」の原型が、僕達のこのアトリエの中で、試作と検証を繰り返し、たくさんの緻密な時間を経て生み出されます。
そして、それを担うのがこのスタッフたちです。
議論し、図面を書き、模型を作り、予算を調整し、役所に出向き、メーカーと性能を確認し、工務店と交渉し、現場監督さんと渡り合い、クライアントにすべてを伝え、家が竣工の日を迎えるまで、僕とともに関わり続けるのが彼らです。
家ひとつが完成するまでに、おおよそ1,000人ほどの名刺が担当スタッフの机に溜まります。
僕達の建築は、まさに「一品生産」です。
1つ1つ、その家に合うよう、一品生産の部品を製作し、その後、それらを組み合わせて構成してゆきます。
僕が大好きな、こうした古いバイクも、僕らの建築に少し似ています。
「売られている商品を買う」だけでは乗り続けることができません。
バラバラに分解し、修理が可能な部品は再生し、ない部品は作り出し、交換が必要な部品は交換するなどして手をかけてやる必要があります。
建築と同じようにして、1つ1つ、魂を込めて組み上げてゆきます。
古いバイクは現代のバイクと比べると非常にシンプルに作られています。
だから、自分たちで分解することができますし、1つ1つの部品や部材を実際に手にとって観察することができます。
建築にも設計図があるように、バイクにもやはり設計図があります。
一見、何のために存在するのかわからないような部品や部材の1つ1つに、設計者の緻密な考えに基づいた存在理由があります。
そうした、かつての設計者の意図に思いを巡らせながら機械を眺めることはとてもエキサイティングです。
家を設計するとは「形をデザインする」のではなく「空気を計画」することだと思います。
それは、魚が濁った水では生きられないように、人も濁った空気ではうまく生きられないのと同じことだと考えるからです。
もしも、あなたが、こうした家の建て方にご興味を持たれたならぜひご連絡ください。
そしてアトリエに遊びに来てください。
歓迎します。