2014/07/14
新作住宅【ORANGE】(子供の家)のオープンハウスは、
昨日/一昨日、実に沢山の方に御来場いただきました。
http://bit.ly/1zA9G6f
写真だけ見ると「過激な空間……」で終わってしまいそうなものかもしれませんが、実際に空間や子供達の状況を目にしていただけることで、ORANGEが本当に成し遂げたかったことの真意が、少しだけでもわかっていただけたのではないかと思っています。
建築というものは「空間」(3次元)だけでなく、いつも「時間」と共にある4次元的なものです。一瞬一瞬の「今」が、いつも変化して行ってしまう様、決して「常」ではない様こそが建築の本質でもあるのでしょう。
あともうひとつ大切なことは、僕達はいつも建築が誕生する時、「自分で創りたくない」と思っていることです。「自分で創る」ことを「自律」といいます。一方、自分で創らないこと、つまり他者が創る契機を与えてくれること、これを「他律」といいます。
この【ORANGE】も、他のアトリエの作品と同じく「他律」が大切にされています。この空間は、スタイロフォームフォームとヒートカッターで遊んでいるうちにたまたま出てきたものなのです。でも、この「たまたま」を不純と思ってはいけないのです。
実は、自分のポケットにある「自律」ではどうしても誕生してこないような世界観を産み出すには、ある部分でこの「他律」に依るしか術はありません。日本の古来の茶碗の作られ方、墨絵の撥ね/掠れ/滲み、華道のその日の花との偶然の出会い、投げようと思って投げぬ柔道、、、、、これらのなかにはいずれも「他律」が潜んでいます。
その助けを借りるのです。
だからこそ益々、そうした空間の質を現わすには 建築を判断するには、写真という「常」では足りなくなってしまう訳です。
それでも、できるだけその「常」ならぬ「動」を、今回お伝えしたいと思います。
御来場いただけました皆様へ、人生の貴重な時間をいただき僕達の作品を見に来ていただけましたことへ、
心からの挨拶を贈ります。
ありがとうございました。
- 参考ブログ:
・「子供の家」
http://norisada.at.webry.info/201401/article_2.html
・「赤子の耳を馬鹿にするな」
http://norisada.at.webry.info/201301/article_1.html
2014年7月14日
前田紀貞アトリエ 前田紀貞 拝