2003年5月31日放送
千葉県千葉市・谷口邸
−完全バリアフリー 白く輝く平屋−
2002年12月 完成
敷地面積  193平米(58坪)
建築面積  96平米(29坪)
延床面積  96平米(29坪)
鉄骨造平屋建て
建築費:3400万円            坪単価:73万円


谷口さんのお宅は敷地58坪に建つ平屋住宅。外観はシンプルな箱を思わせます。外壁の一部には半透明のシートを設置し、外から家の中が見えないようになっています。夜になればシート部分から光が漏れ、美しいシルエットとなります。

家の中は白いモダンな空間となっています。谷口さんのお宅は平屋建て。全ての部屋に間仕切りの無いワンルーム感覚の家となっています。しかも段差のない完全バリアフリーです。

谷口さんのお宅の中央に位置するのがLDK。ご夫婦2人で生活される谷口さんは生活のほとんどをこのLDKで過ごされるそうです。ここからはどこの部屋にも簡単に移動できるのがいいですよね。

キッチンは直線型。調理台にはキッチングリルを設置。お酒好きな谷口さんご夫妻は2人で調理をしながら、一杯やるそうです。収納は扉と箱だけを作り、中に市販のワイヤーラックを入れました。こうすることでコストダウンにも効果がつながりました。

谷口さんのお宅は上から見ると長方形の箱になっています。建築家はこの家に4つのガーデンを設置し、空間に変化を持たせました。このおかげで間仕切りのないワンフロアの空間が変化に富んだものとなったんですね。

ガーデンの床にはステンレス張り。これは青空や雲の流れが床に映るようにしたもの。家にいながら天候の変化などを感じ、外とのつながりを持てるように設計されています。また、そのガーデンもガラスの壁の一部を斜めにしました。雨がふれば流れ落ちる雫も趣深いものとして、住まう人の目を楽しませてくれます。

寝室にはカーテンをつけました。完全に閉ざされた暗い空間にならないようカーテンは透明にしたとか。このカーテンのおかげで、夏、冬ともにエアコンが良く効くそうです。

浴室はゆったりとしたスペースを確保。浴槽の脇の檀上は洗い場です。シャワーの位置も移動可能なものを使用しています。


前田 紀貞(まえだ のりさだ)

1960年 東京生まれ
1985年   京都大学工学部建築学科卒
1985年   大成建設設計本部入社
1990年   前田紀貞アトリエ主宰
現 在   日本大学理工学部非常勤講師
法政大学工学部非常勤講師
   
前田紀貞アトリエ一級建築士事務所

東京都狛江市和泉本町1-9-5 グラスハウス1F
TEL   03-3480-0064
FAX   03-5438-8363
E-mail   norisada@sepia.ocn.ne.jp

京都の竜安寺の石庭は、いたって簡素で「カラッポ」な作りですが、様々なものを、鏡のように「映し出す」ことができます。晴の日、曇りの日、夕焼けは星空、雨や雪、夏と冬、更には、そこにいる自分の「心」も映し出してくれます。 そして、その時々で驚く程、その姿を変えてくれる庭なのです。「カラッポ」であるが故に・・・・。
今回の住宅では、まず敷地条件から許される限りの最大の「カラッポ」の箱を用意します。ですから、外観も殆ど無愛想な倉庫のようなイメージです。そこにデザインらしいデザインはありませんね。
ただ、そのカラッポ」の箱の中にひとたび足を踏み入れると、そこは全くの違った風景が広がっています。それを保証してくれているのが、これまた「カラッポ」の4つの庭なのです。
ここでは、ただひとつの間仕切り壁もなく、ただガラーンとした「空気」だけがあります。ただ、その「空気」が目には見えずとも、竜安寺の庭のように変化に富んだ色や臭い、音、感触を住まい手に感じさせてくれるます。
建築は「物」をデザインするのではなく、「空気」の質をコントロールすることなのです。
 
谷口さんのお宅は敷地58坪に建つ平屋の建物です。この建物は既成概念にとらわれず、オリジナリティーに溢れています。基本的にワンルームとなっており、ご夫婦にとって大変生活しやすい設計となっています。私もしばらくの間ですが、とても居心地良く過ごさせて頂きました。私は全体を見て、このモダンデザインは紛れも無く、建築家・前田紀貞さんの作品だと実感致しました。